危ういニンテンドーDS

つわけで年末商戦ゲームの部の覇者はどうやらDSになりそうです。『マリオカートDS』も『おいでよ、どうぶつの森』も売れに売れ、特に後者は秋葉原で在庫持ちの店の多くが定価販売に切り換えるという驚きの事態に。『脳を鍛える大人のDSトレーニング』をはじめとしたゲーオタ以外に向けたソフトも、バカ売れしてる本体と一緒に購入されるケースが多く、やっぱ携帯機は任天堂という空気が出来つつある…?
いやいやいや、現在は結構危機的状況のように思える。なにしろ売れてるソフトが任天堂発売物件しかないんだもの。発売から1年を過ぎ、もうそろそろサードパーティから安易な移植とかではない、オリジナル物件が出てこないのはヤバい。確かに任天堂ソフトは安心して買えて、その安心感を裏切られることは少ないけれども、それでもやはり1社からだけのソフト供給体制ってのはマズい。任天堂がカバーできない部分、任天堂では難しい部分、具体的に云うとRPG等はサードパーティから出るべきだし、そういう多色なカラーの存在が任天堂絶対王制時代のファミコンスーファミの成功の一番の要因ではなかったのか。
昨年はソフト制作メーカーに直接訪れて開発のサポートをしてただの、美談が聴こえてきたものの、今年に入ってそんな話はぱったり潰えた。今、自分のとこが売れてるからいいやってんなら、64やGCのような未来になってしまうような気がする。SCEは自分とこに開発力がないゆえに他のメーカーにソフト作ってくれとお願いしてるわけだが、実は地味に売れてはいるPSPサードパーティから大作ソフトや、お得意の広告展開で気になるゲームを作られてしまった場合、そしてそれが立て続けに出た場合はこんな状況はいつでもひっくり返されてしまう気がするよ。セガサターン発売の翌年の年末商戦が実にそんな状況で、『VF2』『バーチャコップ』『セガラリー』とあり得ないほどに濃いラインナップで当時の次世代機レースを制したかと思われた(サードパーティからも『ヴァンパイアハンター』『ダライアス外伝』と大物移植が相次ぎ、嬉しい悲鳴を挙げてたなぁ)のに、翌年の『FFVII』がPSで発売ニュースでいとも簡単にひっくり返されたからな。その時にセガが用意したロープレ(セガ流儀)といえば『リグロードサーガ2』。さすがのセガ信者のオレでさえ「さあ後は好きにしてくれ」としか云えない状況でした。
既に『FFIII』のリメイクの発売が決定し、画面まで出てるので、あの時とまったく同一状況とは云えないものの、『FF』ブランドが絶対ではないというのはWSで実証されてしまったハズ。果たして来年の今頃も任天堂は携帯ゲーム機の分野で笑っていられるのかしらね。